ー生活ー

 人生を楽しむこと、真に地上を楽しむこと、それは決して生活にそむきはしない。釈尊が人生は苦なりと言ったのも、やがては、高められた真の大楽を与えんがためであった。
 鳥は歌い、花は咲きほこる。楽しむのが何で悪い。楽しみのない世界に笑いはない。真の楽はどこにある。永遠に亡びない喜悦はどこにある。それは決して、争闘の中にない。遊惰の中にない。無智の中にない。


 真の生活はよろこびと一致する。真の生活は、道の中に存在する。故に真のよろこびは道の中にだけある。 働け、働け。働くことの中によろこびがある。愛せよ??。真愛の中によろこびがある。正しい智慧を培へ、正しき道を歩め、そこに真のよろこびがある。信仰に生きよ。信念の中によろこびがある。形の上が一切やぶれてしまった日にも、創造の大道を歩む者にはよろこびがある。世間の一切人が迫害や、攻撃や非難の刃を向ける日にも、思いを天空にはせ得るよろこびがある。


 一本の葉が青々と育つ、育てた人も育ったのだ。そこによろこびがある。物的なよろこびは永遠でない。騒いだ後にはさびしさが来る。
 生活をそのまゝよろこべる人は幸である。真の生活は真の幸福と一致する。自覚をはなれて生活はない。自覚ある生活とは断えず創造することであり、向上することである。人生の真の幸福がこゝにある。

(住岡夜晃全集第9巻「生活」)