誕生


 住岡夜晃は明治二十八年・二月十五日・広島県山県郡原村(今は北広島町)で、父 住岡勘之丞、母 住岡コチとの中に長男として誕生した。

 「郁三(いくぞう)」と命名されたにもかかわらず、小学校入学の時、「郁」の字が「都」と届けられていたことがわかった。しかし彼は「郁三」を貫き通し、後に「狂風」そして「夜晃」と改めていった。


 浄土真宗の一家で、父母は生活の一部として朝夜の勤行を欠かさなかった。朝は一同で正信偈をすませないと食事にならなかった。弟や妹たちも決して嫌がらず、交替で導師を勤めた。彼らは母の厳しいしつけの中で育った。母は曲ったことを許さなかった。彼の一度始めたことを必ず最後までやりとげる習慣は母によってつけられた。